この社会がどうしても許せなかった頃の話#2
※前回
私は2留という追い詰められた経歴を持ちながら、某手紙を届ける系の企業に内定してしまった。
親族からは嬉し泣きされた。
当の私はというと、嬉しさと不安の半々だった。
営業職っていうのはほぼ確で精神的にブラックなのだけど、
前提として、私はとにかく人運、場所運が悪いタイプなのがある。
というのも、友達と一緒に何かの席を取ると、私の隣だけヤバいヤンキーが居座って絡まれるとか、周りもビビるほどのガチャ運の悪さだ。
だから
「たとえ営業職じゃなくてもどうせブラック環境に入る。ならばせめて安定した大企業が最良ではないか」
予定通りに進んだことから、これが嬉しさの部分。
「随分と暗めな喜び方だな」と、今では思う。
不安の部分は
友達からの
「じゃあそのブラック営業職の中でも、よりブラックなとこに飛ばされるっていう事は考えなかったん?」
これだった。
というのも、内定してから配属先が決まるから、選考では誰と、どこで仕事するかはわからないのが普通だった。
だからいくら安定した企業に入れたからと行って、この配属先が地獄の中の地獄である可能性があるという所まで、私の友達は推測した。
「確かに。」
と思って、私は黙り込んだ。
そしてこの不安は、無事的中することになる。
※ここからの内容については、これは私が新卒の頃なので、この記事の投稿日から6年以上前の話です。あくまでも昔の私の体験ということをご留意ください。現在の特定の企業を批判する意図はありません。
入社日
この企業が所有する「学校」へ、キャリーケースを持って向かう。
研修用の建物で、よくできているけど設備はとても古く、昭和のままだった。
ここでの泊まり込みの研修が、20日ほど行われる。
まるで中学や高校のように、午前、午後の授業はもちろん
ホームルーム
全校集会
並んで教室移動
朝昼晩の学食
校長先生のお話代わりの、偉い人の演説
運動会の練習&運動会
などなどがあった。
私は2年留年していただけあって、友達からの話で「普通の企業の研修」を知っていたため、この悠長でよくわからない研修スケジュールは「国に近い所」だから為せる業で、普通じゃないな ということは、すぐにわかった。
周りの研修生はあんまり不思議に思っていなかった。
学校の中に寮が併設されてて、8畳くらいの長細い部屋に、4人で泊まるっていう非常に素晴らしい環境だった。刑務所かな?
この「学校」から外出する場合は、申請と許可が必要。
ちょっと嫌だった。
そして、私と同じ部屋になった3人だけど、みんな性格がちょっと私と似ていた。
やんちゃな研修生は、同じくやんちゃな研修生と部屋を共にしているっぽい。
不思議に思ったけど「選考試験にあった性格テストで選定したのでは?」との結論に至った。
悠長な研修スケジュールに同部屋の仲間に「変だね~」と言いつつも(同部屋の仲間は最初のうちは変だと思ってなかった)、最初の方は少し楽し気に、そしてせめて今後の待遇が良くなるように、毎日資格試験の対策を夜遅くまでやっていた。
2週間ほど過ぎて、私と同部屋のメンバーはみんな異変に気づいた。
正確には異変に気づいたというより、会社への「信頼・期待値」よりも「不信感・失望」が高くなった状態というのが正しい。
※まだ学校生活してるだけで、業務が始まってすらいない。
些細な事から順にいくつか挙げていくと
・出てくるご飯は学校の給食をちょっと下げたクオリティ
Twitterのフォロワーからは「え、ついに捕まったん?w」って何度も言われた
※刑務所の飯っぽいね というギャグ
・お風呂は、みんなで全裸になったまま並んでシャワーの順番待ちをする
刑務所かな?
・私達は食堂で刑務所のようなご飯だけど、キャリア採用枠(旧国家一種枠)の人たちは、なんか凄そうな数段ある重箱の弁当を専用の区画で食べてる。同部屋のIさんが発見
え?同じ学校なのに、毎日配られる食べ物のグレードが天と地ほど違うの?上級国民?
・私達は申請しないと家に帰るどころか学校の外にも出れないし、バス等公共交通機関を使用してはいけないルールを全員守ることになっているのだけど、キャリア採用枠の人達は消灯時間後に、裏の広場から専用の貸し切り送迎バスで行き来している様子なのを、同部屋のSさんが発見
やばいよ2人共。不信感高まり過ぎて探偵みたいになっちゃったよ。
#3に続きます