この社会がどうしても許せなかった頃の話#10
※前回
メールボックスには上司Nから2通、メールが来ていた。
「こっち来れる?」
「まだ?」
このときの気分といえば「色々と無理になった。」って感じだった。
上司Nは、無自覚なパワハラだった。
いや、世の中みんな自分の行為がパワハラだって自覚してないんだけどね。
上司Nからすれば「パワハラしてないのに、なんかチクられた。」という図式なので、心底気分悪いだろう。
上司Nの部屋に入る
社員Jと上司Nがこちらを睨みつけている。
二人からめちゃくちゃに怒鳴られたけど、頭に血が昇って、詳しい内容は覚えてない。
流石に頭にきて少し反論したけど、火に油を注ぎ、同じような恫喝がループした。
数ヵ月後、管理システムの以降作業があった。
管理システムのサーバー、ネットワーク周りのID、パスワードや仕様は社員J、上司Nしか知らない情報だった。
私はアプリケーション、データベース管理者だったから、ネットワーク側は知らない。
以前居た優しい上司もネットワーク側は専門外で、JとNが抱え込んでブラックボックス化していた。
その管理ネットワーク、全データベースサーバーの移行を、なんか私が土日に全てやることになった。
命令なので、私はやることにした。
※普通は初心者が研修無しに本番ネットワーク、サーバーの全移行なんてやっちゃいけません。
多数のIDやパスワード、サーバーの状態について
「何故知らないのか」
これをめちゃくちゃ言われた。
元々JとNの二人しか知らないルールの情報なのに。
いや、教えてもらったこと無いから。
さすがに反論した時もあった。
私「秘密にしている情報は、教えてもらわないと知ることができないんですよ。」
生意気にも反論した私に、社員Jはヒステリーを起こした
社員J「社会人っていうのは知らないことでも知ってるのが普通なの!!!!あんたはもうバイト以下なのよ!!!大人なら、知らないことも全て知っている状態になる!!!!」
上司Nはうんうんとうなずく
私の性格は「怒り方がわからない」くらいには怒らないタイプなのだけど、この時は耳鳴りと、視界が真っ赤になる錯覚に襲われた。
けど、抑えた。
私はいじめられながら、必死に調べて全システムの移行を完遂した。
移行後の監視も泊まり込みで行った。
JとN以外にエンジニアは私しか居ないから。
当然タイムカードの労働時間は24時間をとっくに超えていた。
後に労務から「この日、押し忘れてますよ」って内線かかってきたけど
「押し忘れてません」とだけ答えて切った。
私は、前職を辞めようと思った時に宿っていた気持ちを思い出していた。
「この環境で40年働き続けることができるか?」
無理があろうと思います。って感じだった。
でも私のこの時の経歴は、
大学卒業後2ヵ月で1度転職していて
今の会社に、まだ3年も勤めていない。
さすがに、この経歴でもう一度、
待遇・雇用条件を大きく落とさずに移るのが相当難しい事くらいは、この時の私は理解していた。
私は、"薬"に頼ることにした。
私はこの後すぐに、間違った方法で「神になった気分」を獲得することになった。
#11に続きます。